コラム
試験運営は内製化できる?試験運営で生じる課題とは?
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広く一般を対象とした資格試験はもちろん、限られた業界内や社内を対象とした資格試験でも、試験運営には多大なる業務が発生します。それだけでも莫大なマンパワーがかかりますが、さらに試験を運営するプロセスの中で多くの課題が発生します。今回は、試験実施前の準備段階、当日の試験実施、試験実施後の処理、それぞれにおいて直面しやすい課題について解説します。
試験準備における課題
1.試験受付・受験者管理
試験の申し込みは、近年ではほぼオンラインになっています。そのため、受験申込のためのWebサイトを準備する必要がありますが、試験によっては領収書や受験票の確認、結果発表まで表示されるマイページも必要です。
試験申し込みを受付けたら、受験者のデータを確認して、試験日程や会場などの割り振り、受験者への事前連絡、受験票の送付、問い合わせ対応、キャンセル対応などの事務業務を行わなくてはなりません。また、受験者が入力したデータは高度な個人情報になるので、データ管理のセキュリティも万全にする必要があります。
2.決済手段の用意
受験費用がかかる試験の場合、申し込みと同時に決済することがほとんどです。そのため、オンラインで決済する仕組みを用意する必要があります。クレジットカード、PayPayなどのオンライン決済方法を複数用意することが望ましいです。
3.試験会場の手配
試験運営において、もっとも難しいと言われている準備のひとつが、試験会場の手配です。受験者数や試験形態に合わせた会場を探す必要がありますし、受験対象者が日本全国にいるならばできる限り多くの地域に会場を用意したほうが、受験者にとっては利便性が高くなります。場合によっては、海外に会場を用意する必要があるかもしれません。
当日の試験実施における課題
1.なりすましやカンニングなどのセキュリティ対策
試験申し込みをした本人以外が受験するなりすまし、試験に回答を持ち込むカンニングは、古くからある不正です。近年は試験中にインターネットを検索したり、チャットなどを利用して外部から回答を教えてもらったり、スマートフォンを使ったカンニングがニュースになることも増えてきました。
また、受験者本人だけでなく、試験運営に関わるスタッフが事前に試験問題を漏らすなどの不正をすることもあります。意図的ではなくても試験問題を配送する際に紛失したり、問題を管理していたコンピューターが不正にアクセスされたりすることもあります。
これらの不正を防止するためには、高度なセキュリティ対策が必要です。
2.試験運営スタッフの確保
当日の試験では、会場案内や試験受付、監督をするスタッフが必要になります。受験者数や受験会場が多いほど、多くのスタッフを確保しなければなりません。近年は人手不足が深刻なので、アルバイトでもなかなか集まらないことが多いです。もちろんスタッフには賃金を払う必要があるので、コストもかかります。
さらに、セキュリティ的な問題もあり、試験受付や監督をするスタッフには教育を受けてもらったり、マニュアルやワークフローを準備したりする必要があります。
試験実施後における課題
1.採点・合否通知
受験者の回答を採点し、集計して合否通知をしますが、間違いが許されないために人が採点をする場合はダブルチェック、トリプルチェックが必須です。マークシートで実施したとしても、データ化までに時間がかかり、各試験会場で実施した回答の集計作業も必要になります。
また、近年の資格試験は合否発表までの時間短縮が求められています。特に業界内や社内での試験の場合、試験合格が業務を行う必須条件になっている場合も多いので、合否発表まで時間がかかるとスムーズな業務遂行ができず、ビジネスの機会ロスになる可能性もあります。
2.分析処理
資格試験が今後も価値ある存在であり続けるためには、試験のアップデートが必要です。そのために、回答結果などを分析して試験問題の妥当性を検討しなければなりません。しかし、分析処理は専門的な知識が必要で、試験運営団体が通常業務に加えて分析することは時間的にもノウハウ的にも難しいことが多々あります。
一方、受験生にとっても回答結果の分析は必要です。自分の弱点を知り、今後の勉強に活かすことができます。
3.受験者のステイタス管理
初級試験に合格後は中級、上級とステップアップしていく試験や、一定期間で更新が必要な試験、複数回受験で割引がある試験など、これまでの受験履歴により受験資格や条件が変わっていく場合は、受験者が現在どのステイタスにいるのか、すぐにわかるように管理する必要があります。
特に団体として受験をする場合、団体責任者は個人の現状ステイタスを管理する必要があるため、責任者向けの管理機能も必要となります。
まとめ
試験運営は煩雑で膨大な業務が発生します。これらをすべて試験運営団体で内製化することは現実的ではありません。そのため試験運営に関しては、運営代行会社にアウトソーシングすることが一般的です。
また、近年は紙による集合試験(PBT)から、会場に集合してコンピューターに配信される問題に回答するCBT試験、会場を問わず自宅などでオンライン試験を実施するIBT試験による試験実施が増えています。CBTやIBTを採用すると、試験の申し込みから採点・分析までをオンラインで実施できるので、試験運営の業務量を大幅に縮小することができます。
試験運営のアウトソーシングを検討される場合は、申し込みから分析まで一括対応できるプロメトリックにぜひご相談ください。世界180カ国で行われている世界水準の試験運営で、万全のセキュリティによる試験実施を実現します。
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